1991年広島で死者15名を出した橋桁落下の痛ましい事故。
当時広島市では94年のアジア大会開催に向け、インフラ整備を急ピッチ
で進めており、落下した橋桁は、アストラムラインという新交通システムのために
設置されたものでした。
原因は土台設置方法の誤りで、重量に耐え切れずH鋼が曲がり落下したそうです。
以下の図解では、右は正しい井桁状の配置で、荷重を分散できる安全な工法です。
一方、左はH鋼を同じ方向に3段積みにした誤った配置で、荷重が一点に集中する
危険な工法です。

(日本橋梁建築協会 HPより)
その他の背景として、作業当日、工事責任者・代理人不在で事務員が代行。
作業員は4名、内2名はとび職人だったが現場ブランクがあり、
橋桁の現場経験は無し。
残り2名は、数か月前まで眼鏡職人であり、橋桁工事の経験はなかったようです。
繁忙による数々の人任せ、他人事による人災事故と感じました。
この事故を教訓に、どんな現場でも「人任せ」や「他人事」にせず、自分の手で安全を
守る意識を持ち続けたいと思います。



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